何かを正しく描こうとするのではなく、
うまくまとめようとするのでもなく、
ただその瞬間に流れ込んだ感情のまま、
色と線に身をゆだねました。
直線になりきれない線、
途切れながらも進んでいく模様、
どれひとつ同じ形はなく、
どれひとつ間違いもない。
カラフルで不規則な世界は、
「整理されていない私」を否定せず、
そのままの姿で受け止めている感覚。
大きくうねるラインは、
わたしの中にある“勢い”や“野生”。
細かく散った点は、
日々感じている小さな気づきやざわめき。
重なる色は、わたしの中に同時に存在する、矛盾した気持ちたち。
この絵が伝えているのは
心はまっすぐじゃなくていい。
複雑で、カラフルで、曖昧でいい。
その全部があなたをつくっているから。
自由に描くという行為は、心を解放し、「今の私」をまるごと肯定するための儀式のようなものです。
わたしの線は、わたしの心の声そのものです。
そしてその声は、今日も確かに、響いています。



